ラマルクな話
フランス・日本の文化、暮らしの考察
2020/03/27
013 包丁とまな板
「手伝いましょうか?」とマダム・ドマリスの台所へ。
「そうねえ、じゃ玉ねぎを切ってお鍋に入れてちょうだい」と渡されたのは果物ナイフのような小さな包丁。
まな板は無し。
驚いて立ち尽くしていると、夫人は左手にズッキーニをつかみ、右手に果物ナイフを持っておもむろに鍋の上へ。
器用にズッキーニを切りながら直接鍋の中に落としてゆく。
あとで知ったことだけれど、これがフランスの家庭では普通のやり方。
まな板や本格的な包丁を使うのは稀なのです。
家庭によっては果物ナイフだけで包丁すらないことも。
それでも素晴らしく凝ったお料理を作ったりするから驚く。
料理上手なドマリス夫人も包丁を使うことはほとんどない様子。
しかし、まな板はあるというので、お願いして出してもらい、日本式に玉ねぎをみじん切りにした私は「プロの料理人みたい!!」と大絶賛を受けたのでした。