ラマルクな話
フランス・日本の文化、暮らしの考察
2019/09/27
011 ヴィアジェ・不動産事情
パリでアパルトマンを買いたいが、自分は若く財力もなく、銀行のローンは難しい。
とすると、可能性は一つ。
<ヴィアジェ>で買うやり方。
売主はお年寄り。
<ヴィアジェ>売買契約が成立すると、買主は月々ローンよりずっと少ない金額を、売主に支払う。
これは売主が亡くなるまで続く。
アパルトマンは買主の持ち物だけれど、売主は亡くなるまで住み続ける権利がある。
税金、管理費、修繕費などは住んでいるほうが払う。
身寄りのない年寄りと、財力のない若者、どちらも得するシステム。
けれど売主の寿命がどのくらいかは神のみぞ知る。
その昔、買主より長生きした売主もいたのは有名な話。
その売主は113歳まで生きたとか。
一方で隣人だったマダム・ルイは、契約書にサインをしたその日に、売主が交通事故にあって亡くなり、結果一銭も払わずにアパルトマンを手に入れた。
そんなケースもある。