100年ふくしま。コラム

ラマルクな話 音楽工房あんだんて 榊原彩

フランス・日本の文化、暮らしの考察

2016/04/26
001 ラマルク通り

パリに住んだ24年間。
何度も引っ越しをしたけれど、一番好きだったのは18区。
モンマルトルの丘のちょうど裏側。

ラマルク通りは凱旋しながらゆるりと丘を登る。

モンマルトル特有の階段道を左右に見ながら、おしゃれなカフェがあり、画廊あり、幼稚園あり、公園あり。頂上まで上り詰めると、サクレール寺院の正面へ出る。お気に入りの散歩道。
ラマルク通りの周辺はモンマルトルスノップと云われる金持ちと、アフリカ系移民、芸術家、怪しげな自称芸術家が混住する。
一つ角を曲がり、1ブロック隔てただけで風景も、雰囲気さえもガラッと変わってしまう。古くはゴッホ、ピカソ、ロートレック、サティなどが住んだ街。

下町で、音や芸術に寛容で、温かみのあるその街の、居心地の良いアパートにピアニストの旦那とチェリストの私は住んでいた。

作 者
音楽工房あんだんて 榊原彩


TOP

© 2020 100年ふくしま。コラム