100年ふくしま。コラム

ラマルクな話 音楽工房あんだんて 榊原彩

フランス・日本の文化、暮らしの考察

2016/06/24
003 議論好き

フランスの国民的スポーツは、「NON(ノン)と言うことと、議論」と言われるほど、フランス人は議論好き。
カフェでも、食事のテーブルでも唾を飛ばして白熱した議論を戦わす。
目の前にあるのがフランス料理ならまだしも、これがラーメンだろうが、熱々の天ぷらだろうが、そっちのけ。

議題は政治、教育制度、評論などまじめなものから、「界隈で一番うまいパン屋はどこか」といったような下らないものまで様々だ。
これに参加できないと馬鹿にされる。

私が初めて議論を吹っ掛けられたのは渡仏1か月後。「死刑について、どう考える?」と聞かれた。
フランスは死刑が廃止されて長く、いまだに死刑執行している国を「野蛮で非人道的」だと思っている、という事実を知る由もなく、しどろもどろで返事もできない私を、18歳の青年が白い眼で見ていた。

これがカルチャーショックの第一波。

作 者
音楽工房あんだんて 榊原彩


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