100年ふくしま。コラム

現代人は歯がいのち 歯科医院美緒 園田正人

訪問歯科の分野から、健やかな生活のために。

2017/04/28
039 『食べる』は『運動』

歯の状態は栄養状態と関係があり、入れ歯の人で1.7倍、咬み合わせがない人では3.2倍も低栄養になりやすいといわれています。

食べ物を噛んで飲み込みやすい塊(食塊)にする運動を『咀嚼』といいますが、『咀嚼』は噛み合わせがあるだけではできません。『咬める場所』『口の力の強さ』『舌や頬、唇の細かい動き』『食べ物を認知する力』が必要です。
歯だけでなく、皆さんが無意識に行っている口の動きがないと食塊ができないのです。

現在、80歳で20本以上歯が残っている人は全体の25%以上に上り、年々その数は増加しています。
歯が残っていると『なんでも食べられる』と思いがちですが、舌の力が弱くなると『食塊』が上手にできなくなります。舌の力は飲み込む力なので、窒息リスクも高くなります。

歯や入れ歯は咬むための道具で、それを使いこなすための運動機能と能力が『食べる』ためには必要なのです。
高齢者の7割は、自覚がなく、リスクを抱えたまま食事をしていると言われています。
皆さんは大丈夫ですか?

作 者
歯科医院美緒 園田正人

現代人は歯がいのち もくじ

TOP

© 2020 100年ふくしま。コラム