100年ふくしま。コラム

現代人は歯がいのち 歯科医院美緒 園田正人

訪問歯科の分野から、健やかな生活のために。

2022/08/26
100 『食べる』…脳卒中と嚥下障害

脳卒中には、脳梗塞と脳出血があります。
脳は右脳と左脳に分かれていて、片側だけの脳卒中を一側性脳血管障害と言います。一側性の場合、嚥下障害(飲み込み障害)がおこっても、48時間後に29%、一週間後に16%、一か月後に2%、半年後に0.2%と経過し、半年後には、ほとんどの人の嚥下障害は回復すると言われています。

ここで問題なのは、『嚥下の評価をいつ行ったか』です。
半年後には治っていても、脳卒中が発症してすぐの検査では『嚥下障害』です。半年後に検査をしなければ、口から食べる事に、制限がかかったままになってしまいます。制限がかかっていると、機能が低下してしまいます。本当は食べられるのに、食べられなくなってしまうのです。

『食べる』は、嚥下障害だけでなく、口腔内環境、加齢的変化、筋力低下、全身疾患、薬物にも影響するので、医者・歯医者・看護士・介護士等、様々な職種の人が関係してきます。誰かが『食べられない』と言っても、診る人が変われば『食べられる』事は多々あります。

回復するためには、『食べたい』『食べさせたい』という思いが一番重要です。

作 者
歯科医院美緒 園田正人

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