100年ふくしま。コラム

現代人は歯がいのち 歯科医院美緒 園田正人

訪問歯科の分野から、健やかな生活のために。

2016/09/30
032 治療の選択

『延命治療はしないでください』
『胃瘻(いろう)は絶対に拒否します』
報道での『胃瘻(おなかに穴をあけて直接胃に栄養を入れる方法)』に対するイメージからよく聞く言葉です。

では、『鼻から管(経鼻胃菅)を入れての栄養補給』、『点滴』はどうでしょうか?
栄養を自分で摂る事が出来ない人が栄養を摂るためには、胃瘻を含めた経管栄養や点滴が必要になります。

最近、経鼻胃管が入っている患者さんをよく見かけます。
理由は、口から満足に栄養が摂れず、家族が胃瘻を拒否されたからだそうです。
胃瘻は駄目で、経鼻胃菅や点滴はよいのですか?何が違うのですか?栄養を入れる経路が違うだけです。
逆に、経鼻胃管は、常に異物が喉に入っている状態が苦痛で、飲み込みにくく、誤嚥もしやすくなります。

胃瘻そのものが駄目なのではなく、食事が食べられないから安易に胃瘻に頼ることが駄目なのです。
胃瘻でも口からの食事はできます。
胃瘻適応の患者さんに経鼻胃管を行っている病院や家族が多く、偏った報道をみた家族の希望を優先させていると感じます。
それぞれの適応と周囲の環境を考えて選択しなければなりません。

作 者
歯科医院美緒 園田正人

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