100年ふくしま。コラム

現代人は歯がいのち 歯科医院美緒 園田正人

訪問歯科の分野から、健やかな生活のために。

2015/02/27
018 経管栄養だからこそ

経管栄養とは、体の外から直接チューブを通して消化管内に栄養剤などを流す方法で、食事が口から食べられない人に行う処置です。
では、栄養剤を胃に注入するだけで、体は消化吸収をするのでしょうか?

まず、舌が動くことで、食道→胃→小腸→大腸が動く。
さらに、唾液が分泌されることで、胃液を始めとした様々な消化液が分泌される。
そして、ぜんどう運動で、食物が下部の消化管に送り込まれ、消化液とかき混ぜられながら消化が進みます。

消化吸収のスタートは口です。
出生体重1500グラム以下の経管栄養児におしゃぶりを与えると、体重増加が著しいという研究があります。
経管栄養や胃瘻を行っているから口は関係ないのではなく、 行っているからこそ口を動かせるアプローチが必要なのです。

高齢者でも流動食を流す前に、音波ブラシで口腔ケアを行うと、お腹が空いたというホルモンが出て、吸収が良くなるという報告もあります。
口を使っていない人ほど、口を動かし、刺激を与える事が大切になってきます。

作 者
歯科医院美緒 園田正人

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