100年ふくしま。コラム

現代人は歯がいのち 歯科医院美緒 園田正人

訪問歯科の分野から、健やかな生活のために。

2018/06/29
053 インプラントにする前に

インプラントとは、無くなった歯の代わりに、顎の骨にネジをいれて、その上に歯を作る方法です。

インプラント治療をされた人の中で、認知症や寝たきりになった場合のリスクまで説明された人はほとんどいないと思います。
認知症の初期から専門的なケアを行っていない場合、数年後に必ずと言っていいほど自分の歯は折れます。
ですが、インプラントは残ります。そして、残ったインプラントは歯茎に突き刺さるのです。
インプラントを除去するには、周りの骨を削らなければならず、ネジのように回せば取れるわけではありません。
高齢、認知症の場合、このような処置はリスクが高すぎて行えるとは思えません。

インプラント治療はとても良い治療だと思いますが、歯科医師も患者さんも、安易に行いすぎだとも思います。

毎日のケアと、専門的メインテナンスが必須なインプラント治療を選択する前に、予測可能な老後リスクを知ることも必要です。
自己責任と言われる方もいますが、介護が必要な平均期間(一人では歯医者に通えないかもしれない期間)は男性8年、女性12年です。

作 者
歯科医院美緒 園田正人

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